オフセット印刷


オフセット印刷(オフセットいんさつ、: Offset printing)は、印刷技術のひとつである。実際に印刷イメージが作られているが直接触れないのが特徴である。版に付けられたインキを、一度ゴムブランケットなどの中間転写体に転写(offset)した後、紙などの被印刷体に印刷するため、オフセット印刷と呼ばれる。

オフセット印刷の大半が平版(へいはん)を用いて行われているため、オフセットと言えば平版オフセット印刷のことを指すようになった。略して「オフセット」「オフ」と呼ばれることが多い。しかし、版に凸版を用いるドライオフセット印刷や、電子写真方式のオンデマンド印刷機にもオフセット方式を用いたもの(コダック・ネクスプレスなど)がある。

目次

概要


平版とは印刷の版式の一つで、版の撥水性を利用した印刷方法である。版材に石を用いる石版印刷が平版の最初だが、現在ではアルミに感光剤を塗布したPS版(pre-sensitized plate)が主流となっている。

イメージを作る前の原版(PS版)は、親水性の支持体を、親油(撥水)性の感光層で覆ったものである。この上に、版下から製版したフィルムを載せ、フォトリソグラフィにより、非画線部の親油層を除去する。この原版を版胴に巻き付け、水ローラーで湿し水(しめしみず)を付けると、親油層の除去された部分にのみ水が乗る。

続いてインキを付けるが、非画線部には水があるためインキが乗らず、画線部にのみインキが付着した状態になる。このインキを、原版からブランケットと呼ばれるゴム筒に一旦移した後、改めて紙に転写する。

非常に鮮明な印刷が可能で、版が直接紙に触れないことから胴の磨耗が少なく、大量印刷にも適する。輪転機を使用すれば短時間で大量の印刷が可能になる。紙に施す印刷技術としては、立体感が劣る、設備投資にかかる費用が高いといった点以外はほとんど欠点らしい欠点が無く、オフセット印刷用の用紙の発達もあり、現在世界中で供給される商業印刷機の多くをオフセット機が占めている。

一方で、湿し水には、揮発性有機化合物が使用されていることが多く(表面張力低下能力と増粘性のために約5〜20%程度のイソプロピルアルコールが添加される[1])、環境問題が指摘されることも多い。そのため、近年では、水の替わりにシリコン層を代用する「水なし印刷方式」が開発され、徐々にシェアを伸ばしている。なお、刷版に凸版やグラビア版を用いる「ドライオフセット印刷」は、平版を用いる「水なし印刷」とは別物である。

オフセット印刷の刷版
上図は層の厚みが誇張されているが、実際には凹凸がほとんど無い版のため「平版」という

オフセット印刷の種類


軽オフセット


製版にPS版でなく、ピンクマスターシルバーマスターと呼ばれる紙やフィルムの版を使う印刷形式を「軽オフセット印刷」略して「軽オフ」と呼ぶ。網点がつぶれやすく、写真を含む精密な印刷には不向きであるが、製版コストが安く、手軽なところがメリットであり、小ロットで短納期の、いわゆる軽印刷の代表的な印刷技術となっている。近年は紙版の製版機もデジタル化が進みPS版と比べ遜色のないレベルまで網点の再現性が向上している。

オフセット印刷機械メーカー


脚注


[脚注の使い方]
  1. ^ 田中 克則「プリプレスと副資材の環境対応 2. オフセット印刷薬品の環境対応」『日本印刷学会誌』第47巻第1号、2010年、 21-23頁、 doi:10.11413/nig.47.021

関連項目


外部リンク











カテゴリ: 印刷




データム: 27.10.2021 04:39:21 CEST

出典: Wikipedia (著作者 [歴史表示])    ライセンスの: CC-BY-SA-3.0

変化する: すべての写真とそれらに関連するほとんどのデザイン要素が削除されました。 一部のアイコンは画像に置き換えられました。 一部のテンプレートが削除された(「記事の拡張が必要」など)か、割り当てられました(「ハットノート」など)。 スタイルクラスは削除または調和されました。
記事やカテゴリにつながらないウィキペディア固有のリンク(「レッドリンク」、「編集ページへのリンク」、「ポータルへのリンク」など)は削除されました。 すべての外部リンクには追加の画像があります。 デザインのいくつかの小さな変更に加えて、メディアコンテナ、マップ、ナビゲーションボックス、および音声バージョンが削除されました。

ご注意ください: 指定されたコンテンツは指定された時点でウィキペディアから自動的に取得されるため、手動による検証は不可能でした。 したがって、jpwiki は、取得したコンテンツの正確性と現実性を保証するものではありません。現時点で間違っている情報や表示が不正確な情報がある場合は、お気軽に お問い合わせ: Eメール.
を見てみましょう: 法的通知 & 個人情報保護方針.